ホテルの収益管理において「RevPAR(レブパー)」は、客室稼働率(OCC)と客室平均単価(ADR)の両方を織り込んだ総合指標として位置づけられています。本記事では、RevPARの定義や計算方法をはじめ、ADRやOCCとの違い、具体的な業界目安までを、複数の専門ソースを基に体系的に解説します。CINCの定義を起点に、実務での活用ポイントを整理します。

Last checked: 2026-06-12

正式名称: Revenue Per Available Room · 和名: 販売可能客室1室当たり収益 · 構成要素: ADR(客室平均単価)とOCC(客室稼働率) · 主な目的: ホテルの収益性と稼働効率を同時に評価する

RevPAR(レブパー)の要点

1 正式名称
  • Revenue Per Available Roomの略称。CINC
2 日本語での別称
  • 「販売可能客室1室当たり収益」とも呼ばれる。tripla MEDIA
3 構成要素
  • ADR(客室平均単価)とOCC(客室稼働率)を掛け合わせて算出。ノムコム・プロ
4 主な目的
  • 実際の販売状況にかかわらず、全客室ベースで収益効率を評価する。HOTEL SMART

RevPARと構成指標の基本情報

項目 詳細
正式名称Revenue Per Available Room
和名販売可能客室1室当たり収益
構成要素ADR(客室平均単価)とOCC(客室稼働率)
主な目的ホテルの収益性と稼働効率を同時に評価する
計算式(基本)宿泊売上合計 ÷ 販売可能な客室数
計算式(代替)ADR × OCC(OCCは小数で表現)
ADR計算式客室売上高 ÷ 販売客室数
OCC計算式販売客室数 ÷ 全客室数 × 100(%)

RevPARとは?ホテルの重要指標|計算方法とADR・OCCとの違い

RevPAR(Revenue Per Available Room)は、ホテルが持つ全客室(販売可能な客室)を分母に、客室売上を割り戻すことで得られる指標です。tripla MEDIAは「実際に販売された客室だけでなく空室も含めて収益性を評価できる総合指標」と説明します。つまり、満室近くで高単価を実現しているホテルほど高いRevPARを示します。

RevPARの正式名称と意味

英語表記は「Revenue Per Available Room」、日本語では「販売可能客室1室当たり収益」と訳されます。この指標の特徴は、売上(Revenue)を「販売可能な客室(Available Room)」という固定された枠組みで評価する点です。Check Inn メディアは、RevPARを「OCCとADRを一目で可視化できる指標」と表現しています。

RevPARがホテル経営で重要な理由

OCC(客室稼働率)だけを見ると「部屋はどれだけ埋まったか」はわかりますが、その部屋がいくらで売れたかは見えません。逆にADR(客室平均単価)だけでは、単価は高くとも空室が多い状態を見逃します。RevPARはこの二つの要素を統合するため、HOTEL SMARTが指摘するように「売れていない空室も含めた全客室の平均売上」を示す唯一の指標となります。

ポイント
RevPARは「ホテルが持つ全客室の1室あたりが、どれだけの売上を生み出しているか」を測る。満室近くで高単価を維持できれば、RevPARは高水準となる。

ADRとRevPARの違いは何ですか?

ADR(Average Daily Rate)は「客室平均単価」、すなわち実際に販売された客室1室あたりの平均販売価格を示します。Check Inn メディアの定義では「特定期間に販売した客室1室あたりの平均料金」とされ、計算式は「客室売上高 ÷ 販売客室数」です。

ADR(客室平均単価)の定義

ADRは販売実績のある客室だけを分母とするため、高級ホテルでは高く、低廉なホテルでは低くなるのが一般的です。しかし、この指標だけでは空室リスクが考慮されません。CINCは「ADRは価格戦略の評価に適した指標」と説明しつつ、OCCやRevPARとの組み合わせを推奨しています。

RevPARとADRの相互関係

RevPAR = ADR × OCC(OCCは小数)という関係式が成り立ちます。例えば、ADRが10,000円でOCCが70%(0.70)の場合、RevPARは7,000円です。ノムコム・プロは、「RevPARは『売上の合計金額 ÷ 販売可能な客室数』と『ADR × OCC』の2通りで求められ、両者は数学的に一致する」と解説しています。

「OCCは販売量、ADRは単価、RevPARは収益効率を捉える指標と整理されることが多い」

CINC

まとめ:ADRが高いだけでは経営効率は判断できません。RevPARで空室も含めた「総合的な収益効率」を確認する必要があります。

ホテルのレブパーの計算方法は?

RevPARの計算方法は2通りあります。基本は「宿泊売上合計 ÷ 販売可能な客室数」、代替式は「ADR × OCC」です。いずれも同じ数値になります。

RevPARの計算式:ADR × OCC

具体例を挙げます。客室数100室のホテルで、1泊あたりの客室売上が70万円、販売客室数が70室の場合、ADRは70万円 ÷ 70室 = 1万円です。OCCは70室 ÷ 100室 = 70%(0.70)です。したがってRevPARは1万円 × 0.70 = 7,000円となります。Check Inn メディアではこの計算式が標準的に紹介されています。

計算例と実践的な使い方

OCCが60%から80%に上昇したケースを考えます。ADRが変わらず1万円だとすると、OCC 60%のRevPARは6,000円、OCC 80%のRevPARは8,000円です。tripla MEDIAは「OCCが60%から80%に上がれば、ADRが同じであってもRevPARは約33%向上する」と試算しており、稼働率改善のインパクトが大きいことがわかります。

計算の注意点
RevPARは客室収益のみを対象とし、レストランや宴会場など付帯部門の売上は含まれません。CINCはこの点を明確にしています。

OCCとは ホテル

OCC(Occupancy Rate)は「客室稼働率」と訳され、ホテルの集客力を測る基本的な指標です。AIPASSは「販売可能な客室数のうち実際に販売・利用された客室の割合」と定義しています。

OCC(客室稼働率)の計算方法

計算式は「OCC(%) = 販売客室数 ÷ 全客室数 × 100」です。例えば、100室中70室が販売されていればOCCは70%となります。ダイナテックはこの基本式を紹介しており、業界で広く使われています。

OCCがRevPARに与える影響

OCCが高いとRevPARは押し上げられますが、OCCだけを追いかけると単価を下げすぎるリスクがあります。たとえば、割引販売でOCCを90%にしても、ADRが低ければRevPARは伸びません。業界コラムでは、「OCC・ADR・RevPARを同時に伸ばすことが理想だが、現実にはトレードオフが生じやすく、どの指標を重視するかの戦略設計が重要」と指摘されています。

「稼働率が高いだけでは収益性は測れない。RevPARで総合判断すべき」

日本のホテルコンサルタントによる指摘(複数ソース)

示唆:OCCの数値だけを見て安心するのではなく、その稼働率がどのような単価で達成されているかをRevPARで確認する習慣が重要です。

旅館のRevPARの目安は?

旅館とホテルでは、客室単価の水準や稼働率のパターンが異なるため、RevPARの「目安」も変わります。一般的なビジネスホテルの場合、OCCは70~80%が目標ラインとされることが多く、宿泊予約システム 宿スキの情報でもその水準が指標として紹介されています。一方、旅館では1室あたりの単価が高く設定される傾向があるため、OCCがホテルより低くても、ADRの高さでRevPARを確保できる場合があります。

ただし、公開されている統計データは限定的であり、立地や規模、業態によって大きく変動します。たとえば、都市型のシティホテルと温泉地の旅館では、同じRevPARでも意味合いが異なります。Check Inn メディアは「RevPARはホテル全体の収益力を総合的に評価できる指標」としつつ、業態ごとの特性を踏まえた目標設定が求められるとしています。

注意点
単一の「業界平均」に頼るのではなく、自施設のタイプ・立地・客室構成に合わせたベンチマークを設定する必要があります。公開データだけでは不十分な場合、同規模・同地域のホテルとの比較検討が有効です。

3指標の比較:RevPAR・ADR・OCC

指標名 定義 計算式 意味するもの 改善方向
RevPAR 販売可能客室1室あたりの収益 客室収益 ÷ 販売可能客室数
または ADR × OCC
全客室ベースの収益効率 ADR向上 または OCC向上(または両方)
ADR 販売済み客室の平均単価 客室売上高 ÷ 販売客室数 価格戦略の妥当性 料金の値上げ、アップセル、客室グレードの向上
OCC 客室稼働率(%) 販売客室数 ÷ 全客室数 × 100 集客力・需要取り込み状況 販促強化、チャネル拡大、需要変動への対応

よくある質問(FAQ)

RevPARの読み方は?

「レブパー」と読みます。「Revenue Per Available Room」の頭文字を取った略称で、日本語では「販売可能客室1室当たり収益」と訳されます。

RevPARを上げるにはどうすれば良いですか?

ADR(客室平均単価)を上げるか、OCC(客室稼働率)を上げるかの2方向があります。具体策として、tripla MEDIAは「価格戦略の最適化」「販売チャネルミックスの見直し」「客室タイプ別の収益管理」を挙げています。需要の高い繁忙期にはADRを引き上げてもOCCが大きく落ちにくいため、RevPARを高水準に維持しやすいとされています。

ADRとRevPAR、どちらが重要ですか?

両方を合わせて見る必要があります。ADRだけでは空室の影響を無視し、RevPARだけでは客室単価の詳細が見えません。経営判断では、両指標を併用しつつOCCも加えた3指標で総合評価するのが一般的です。

OCCが高いのにRevPARが低いのはなぜですか?

OCCが高くても、ADR(客室平均単価)が低ければRevPARは低くなります。たとえば、割引販売で稼働率を上げた場合、部屋は埋まっても売上が伴わないケースがあります。

RevPARの業界平均はどのくらいですか?

立地や業態、調査時期によって大きく異なります。日本国内では、ビジネスホテルで5,000円~8,000円程度、シティホテルで8,000円~15,000円程度の幅が目安として語られることがありますが、公的な統一基準はなく、ホテルごとに目標設定が行われています。

RevPARは1室あたりの収益ですか?

はい。RevPARは「販売可能な客室1室あたり」の収益を示します。ただし、実際に販売された客室のみを対象にするADRとは異なり、空室も含めた全客室を分母にしている点が特徴です。

RevPARは年間で計算しますか?

月次・四半期・年間など、任意の期間で計算できます。日常的な収益管理では月次や日次で算出し、経年比較や業界比較には年間のRevPARを用いることが一般的です。

RevPARを計算する手順

  1. 期間を決める:1日、1週間、1か月など、集計期間を設定します。
  2. 客室収益を集計する:その期間に販売された客室の売上合計(税抜きが一般的)を計算します。
  3. 販売可能客室数を確認する:その期間に販売可能だった総客室数を算出します(客室数 × 営業日数)。
  4. RevPARを算出する:客室収益合計 ÷ 販売可能客室数。または、ADR × OCC(OCCは小数)でも同じ値になります。
  5. ADRとOCCもそれぞれ計算する:ADR = 客室収益 ÷ 販売客室数、OCC = 販売客室数 ÷ 販売可能客室数 × 100。
  6. 傾向を分析する:前年同期や目標値と比較し、RevPARが変動した要因がADRとOCCのどちらに起因するかを特定します。
実践ヒント
毎日のRevPARをトラッキングすることで、曜日変動やイベントの影響を即座に把握できます。ExcelやPMS(プロパティマネジメントシステム)のレポート機能を活用しましょう。

引用・参考情報

本記事の執筆にあたり、以下の情報源を参照しました(2024年~2026年に公開された情報を基にしています)。なお、実際のホテル経営データの収集や特定ホテルチェーンのインタビューは行っていません。

  • CINC – RevPARの定義と計算式
  • Check Inn メディア – RevPAR解説
  • Check Inn メディア – ADR解説
  • tripla MEDIA – RevPARガイド
  • HOTEL SMART – ADR・OCC・RevPARの違い
  • AIPASS – OCC・ADR・RevPARの基礎
  • ノムコム・プロ – ホテル投資指標
  • ダイナテック – OCC・ADR・RevPAR
  • note(さーもん)– ホテル指標の考察

調査方法について

最終確認日:2025年3月。

参照した情報源の種類:業界アナリストの定義、ホテル向けソリューションサイト、観光研究所、経営指標解説サイト。

実際のホテル経営データの収集や特定ホテルチェーンのインタビューは行っていません。定義や計算式は複数の公開情報で検証しています。